音(オト)は、空気や固体を揺らして伝わります。
その揺れ(波)の中で人間の五感で感じ取れる部分が、生活する上での音(オト)と呼ばれるものです。
防音の要素として、音のエネルギーを少なくするために「遮音」・「吸音」・「防振」など様々な方法が取られますが、その全てを加味して“防音”となります。
音がある空間(発生場所)から、ある空間(現在地)まで上記のような方法で軽減された分のエネルギーが「防音効果」となるわけです。
日常生活の空間では、常に音は介在しています。
とても静かだと感じているときにでも、30dB(デシベル)程度の音は存在すると考えて良いでしょう。
ある場所で特定の音を対象として考える場合に、対象の音が無い時の、その場所における音の大きさを、対象に対しての“暗騒音”と言います。
右図で言うと、青色部分の音が暗騒音となり得ることになります。
当社の防音は、その暗騒音レベルまで対象の音を軽減できれば、周囲に対して「あまり気にならない音」と呼べると考えています。また暗騒音値よりも10dB以上小さい音になれば、「全く気にならない音」と呼べると考えています。
人間の感覚には個人差があり、また人間の感情にも影響するものなので、防音の程度は全ての人に当てはまるわけではないのです。
そもそも「音」とは何でしょうか?
簡単に言うと、空気の振動です。
普段の生活では特に意識しませんが、空気にも重さがあり、重さがあるということは質量があり、質量があるということは、空気も振動するのです。
何かのきっかけによって、圧力が変化して空気が振動する。
この空気の振動が波(音波)として伝わる現象が「音」なのです。
この波が人間の耳に入り鼓動を振動させ、それが神経により脳に通じて知覚されます。
音の強さや大きさは音波の振幅に関係します。音のエネルギーの大きさと音波の振幅の大きさは物理的な量で把握されるもので、「音の強さ」と呼び、dB(デシベル)で表します。
音の波が1秒間に何回上下するかを数値にしたものを「周波数」といい、Hz(ヘルツ)で表します。周波数の少ない音は低音、多い音は高音となり、周波数が2倍になると1オクターブ高い音になります。
普通に人間の耳に聞こえる周波数範囲は約20Hz~20kHzで、これを可聴音といいます。これより低い音を超低周波音、高い音を超音波といいます。
音には、空気中を伝わっていく「空気伝搬音」と、建物の床や壁、天井等を伝わって届く「固体伝搬音」の2種類があります。
伝わり方が異なるため、防ぎ方も当然違ってきます。防音を検討するときには、自分の防ぎたい音の種類をしっかり見極めることが重要になります。
楽器等の音源から放出された音が空気中を伝わっていく音。空気伝搬音は距離減衰によって、音源から離れるほどレベルが減衰するが、さらに塀などの遮蔽物によっても減衰します。
振動源から発生した振動が床スラブなどを振動して伝わり受音室の壁などを振動させて空気中に音として放射する音。
固体伝搬音の伝搬経路上の減衰は空気伝搬音より小さく、減衰傾向は伝搬経路の地盤や固体の形状、また音としての放射する面と下地構造によって異なります。建物内の騒音問題では、設備機器の騒音、給排水音、床衝撃音、扉の開閉音、エレベーター音などの固体伝搬音が多いです。